夢4
□素直になって
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直後、飛び交う悲鳴の中、私は顔を赤くする事も怒る事も呆れる事もせず、ただ口をぽかんと馬鹿みたいに開けていた。
「だから、付き合ってくんねぇかな……?」
断られる事を恐るような口調が耳に届いた頃には周りの野次馬達も興味を示していて私はその場に赤面した。
「な、何言ってるの?こんな公衆の面前で馬鹿じゃないの?!」
「俺は至って真面目だ」
勿論冗談なんかでもねぇといつになく真面目な表情で訴える相馬の胸を押しその場から逃げ出した。後ろから相馬の声が聞こえるが一度走り出した足は止まらない。しかし、スポーツ万能の相馬に勝てるはずもなく、私はすぐに捕まり腕を掴まれ無理矢理向き合わされた。
「あー、なんつーか……悪かったな」
「今更遅い」
「う……。けどもう少し考えてくんねーかな……?」
その時の相馬はとても慌てていて、私の頬を緩ませた。
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答えなんか決まっているのに。
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