□少女と耳と、
1ページ/1ページ



インターホンを押し中に入ると出迎えてくれたのは少女を見て物凄く嫌そうな顔をする時任。
 
 
 
 
 
「ただいま」
 
 
 
 
 
あ、おかえり……じゃなくて何なんだよ、コイツ!と大声で文句を言う時任を軽く受け流し少女を寝室まで連れて行く。
 
 
 
 
 
時任は少女が嫌なのか俺の対応が不快に思ったのか部屋には入って来なかった。
 
 
 
 
 
流石に濡れた服を着せたまま放置するのもいけないと思いなるべく見ないようにして濡れた服を脱がせ、代わりにティーシャツを着せた。
 
 
 
 
 
「んー、これって……」
 
 
 
 
 
着替えさせる際に耳にしてあった耳当てが服に引っかかり取れてしまい、フと少女の耳を見て声を漏らした。
 
 
 
 
 
「W.A……」
 
 
 
 
 
その見た耳は狼、というか猫のような耳のように変形していた。
 
 
 
 
 
もしこれが本当にW.A絡みならばきっと少女は時任と同じ目にあっていただろう。
 
 
 
 
 
その証拠に薬を常用している痕は無かった。
 
 
 
 
 
確信に近いものを得ると同時に扉の向こうから俺を呼ぶ声がした。
 
 
 
 
 


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]