小説

□拍手2
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 屯所の食堂にて。

「なぁ・・」

 何かを言い掛ける土方。
「へい。コレステロールと高血圧で死ねマヨラー」

 土方がいい終える前に自分の前にあったマヨネーズを取って手渡す沖田。

「ん。てめーこそ得体の知れねぇ奇病で笑い死ね」

 それが当たり前のように受け取る土方。

「・・・。オイ、ヘタレ」

 顔も見ずに隣に呼び掛ける沖田。

「ヘタレゆーな。コレだろ、溢すなよ」

 迷いもせずに醤油差しを隣に手渡す土方。

「ガキ扱いすんなィ」

 やはり平然と受け取る沖田。

「・・・。アンタら、何処の熟年夫婦ですか」


  「「あぁ?」」   

「物を言われずに欲しいものを分かるなんて、長年連れ添った相手にしか出来ないですよぅ・・・」

「ハッ、このマヨラーが食事中に何か頼むなんざ、煙草かマヨしかありえねぇだろィ。
 それだけ好きなら、煙草にマヨ乗っけて食べればいーのに」

「死ねってか。
 豆腐見つめながらじっとしてりゃあ、鰹節か醤油ぐらいしかねぇだろ。監察のくせに洞察力が足りねぇなーって、総悟お前、俺の珈琲に何入れてんの?」

「仕事に疲れた土方さんに、安らかに眠れるクスリでさぁ」

「明らかに毒だろうがぁぁぁぁっ!」

 騒がしく喧嘩する二人を見て、山崎は内心で溜め息をついた。


(だから、そうやってごく自然に相手に注意を向けていて、尚且つお互いにそれを当たり前のように受け入れているのが、いかにも、なんだってば)

(きっと、無意識なんだろうけど)


お粗末様。

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