小説

□ゆるり、
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思えば、出会った頃から狂わされていたのだ。


「―――ぁ!!」

断末魔のような悲鳴に気が付いたのもまた運命の悪戯か。

「おい、そこで何してやがるっ!!!」

普段は人気の無い屯所の倉庫。
体格のよい隊士数名と、隊服を破られ半裸になって押さえ付けられている細い肢体。

「――総悟っ!!!」

それが見慣れた蜂蜜色の髪だと気付いた瞬間、のしかかっていた男共を剣で殴り飛ばしていた。
鞘から抜かなかっただけ理性が残っていたのだと信じたい。

「―――お前ら、何をしていた」

 碌でもないブツをズボンから出したまま、引っ繰り返った隊士を踏み付けて尋ねる。

「ぐ・・・ふ、くちょ」

「言えよ。
 こいつになにをしようとしてたんだ」

 ちらりと横に視線を移す。
 いつも生意気に睨み返す瞳は、茫然とこちらを映していた。
一見したところ、最後まで犯られてはいないようだが、白い肌に付いた痣と傷が痛々しい。
 子供の頃から見知っている少年を犯されかけたと思えば、自然と足に力が籠もる。
 下にあった骨が音を立てて軋んだ。

「あ、アイツが悪いんだ!」

「ぁあ?」

「ガキのくせにっ、隊長面して理不尽な命令連発してっ、ちょっとばかり剣の腕がよく女みたいなツラしてるからってっ局長やアンタに可愛がられて!!」

「だから、生意気な鼻つら圧し折ってやろうとしたってか」

「そいつも抵抗しなかったんだっ合意の・・・」

「もういい」

 聞くのに耐えられなかった。
顎下から蹴り上げると、あっさり隊士は意識を失った。携帯で山崎を呼び出して、後の処理を任せる。
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