小説
□心理テスト
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何事もなく朝の見回りを終えた土方は、昼食を摂るために食堂へ向かっていた。
「おお、トシ。見回りご苦労さん」
「近藤さん。あんた今日決済の書類はどうなった?」
「ハハハ。実はまだ終わってねーんだ。朝から文字ばかり見てると頭が痛くなってな、小休憩」
「ったく、後で泣いても俺は手伝わねーぞ」
「そんなこと言うなよ、おまえと俺の仲じゃない!」
「あれィ、近藤さんも昼飯ですかい?」
大きな欠伸をしながら姿を見せたのは白い小袖の少年。
「おお、総悟!今日は非番か」
「そうでさぁ」
「非番だからって昼間で寝てたら脳味噌腐るぞ」
「昼間で床に居なきゃいけねぇ状況作った犯人は誰ですかィ」
「フン」
「なになに?昨晩二人で花札でもしてたの?」
土方と沖田はいわゆる深い仲なのだが、鈍い近藤は全く気付かない。
沖田の父親代わりの親友に内心で謝罪をしつつ、適当に誤魔化す土方。