小説
□日記ss2
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明けまして(土→沖)
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警察に大晦日も正月も関係ない。
いやむしろ、攘夷浪士や騒ぎを起こすバカ共が増えで大忙しだ。
平均睡眠時間2時間、あと二週間は休む目処さえ立っていない。
全員がこの激務をこなしているので文句は言えないが、殺人的な忙しさだ。
出来ることなら、猫の手でも借りたい。いや、有るのか無いのか分からないおたまじゃくしの手ですら借りたい。
「うわ、なんですかこの空気!!」
書類を持ってきた山崎が、襖を開けてたばこの煙に咳き込んだ。苛立ちを的確に数値化した灰皿が吸い殻の山に埋もれている。
新に持ち込まれた書類の束を見て、ますます頭が痛くなる。
「ソレ、今年中にあげないと駄目か・・・?」
「来年度の予算に関わりますから・・・あと、数時間で来年ですね」
「・・・こっ、近藤さんは?」
「沖田さんと一緒に神社の警備です。アンタがシフト組んだんでしょー」
「・・・俺、もう1ヵ月近くあいつに会ってねーんだけど」
「・・・何子供みたいなコトいってんですか、天下の副長が。沖田さんも珍しく真面目に働いてるつーのに」
「・・・。あいつは近藤さんの前ではいつも真面目だよ」
「拗ねないで下さいよ、キモイですから」
「斬られてーのかそうなんだな?」
「八つ当りしないで欲しいなぁ。その書類が終ったら見回り行ってきて良いですから」
「いや、でも、しかし・・・」
「一時間だけです。車飛ばせば顔見るくらいできるでしょ」
「悪い・・・」
「いーえ。無線は繋いどいてくださいね」
年が明けたら一番最初に祝おう。
今年も互いに生き残れたことを。
来年も二人で生きていけることを。
明けましておめでとうございます!
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