小説

□なごり夏
1ページ/4ページ

 最初からいけ好かないガキだった。
 俺のことをあからさまに嫌っていたくせに(恐がっていたのかもしれないが)、小さな体に見合わぬバカ高いプライドのせいか、視界に入れば必ず真正面からぶつかってきた。

 俺はと言えば、恩人である近藤さんの前でその教え子に手を挙げる訳にもいかず。
 せめて大人らしく(15といや立派な成人だった)受け流そうとする配慮も、あいつの過激な悪戯(もはや犯罪といいたい)にあっさり吹っ飛ぶ。

本当に嫌なガキだった。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ