小説

□越ゆる年
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 胸の中心を舌先で嬲られ、両手で自身を扱かれ、弱いところを責め立てられて。
 頭のなかが快楽に埋め尽くされ、まっしろ。

「っああーっ!ひじかたさんっ!」

「      総悟っ」

 イく瞬間に注ぎ込まれたのは、確かに愛の言葉だった。






 体力を使いきって、後処理をする気力もなく二人でグッタリしていると、車内のドコからか啜り泣く声がする。

「シクシクシクシクシク」「ぐすん」「ぁぁぁぁぁ」「隊長っー」「死ね副長がーっ!」「うらめしや〜」「憎いっ!」「お痛わしいー」

 しかもおれたちを名指ししている。
 幽霊とかがだいっきらいな土方さんは青くなって震えている。

「あー、こりゃあ去年やった呪いがまとめてやってきたんじゃ」

「沖田さんー馬鹿な事言ってないで、無線のボリューム上げてくれませんか」

 何故か山崎の声がした。
 見ると、パトカーの無線のスイッチがONになっている。
 音量を上げると、車内は土方への怒声に満たされた。

「・・・山崎、いつから聞こえてた・・・?」

「・・・最初からです。お気の毒に・・・」

「――土方さん、覚悟は出来てますね」

「ちょ、おまっ、瞳孔開いて―っ!」

「―――死ねっ!!!」




ちゅどーん

 年明けを祝うかのように、江戸の外れで盛大な花火が散った。






 きっと、いいオカズにされていると思います。
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