小説
□心理テスト
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食堂に入ると、中央のテーブルで隊士達が盛り上がっている。
「何してんだ?」
近藤が声を掛けると、こちらに気付いた幾人かが説明してくれた。
「心理テストっす!」
「心理テストだァ?」
「山崎が監察で使ってたモンで。そんな専門的なやつじゃなく、中も八卦あたらぬも・・・つー」
「ようするにネタっすよ。コレがなかなかおもしれーモンで」
「局長達もやっていきませんか?」
すこし興味をそそられるものの、局長室の机の上には未決済の書類の山が残っている。
「俺か?うーん、どうするかな」
書類が終わらないと、愛しのお妙さんに逢いに(ストーカーしに)行けなくなってしまう。
悩む近藤の心を読んだ山崎が巧みに説く。
「恋愛に関するのもありますよ。お妙さんにも使えるんでは?」
聞いた近藤さんの髭面がパァアと輝く。
「やる!勿論、トシと総悟もやるよな」
ちょろいゴリラだ。
やる気満々の近藤を見て、土方と沖田は苦笑する。二人が断るとは微塵も思ってないらしい。
「わかったよ。だが、あまり長く時間の掛かるものはよせ」
「なるべく土方さんの弱点がわかるようなモンをお願いしまさァ」
斯くして三人の深層心理が暴かれることになったのだ。