小説

□宣戦布告
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 土方の顔が軽薄なものから激変する。

「・・・誰だ?近藤さんだよな近藤さんだと言ってくれぇぇぇ!父親に向ける思慕の情で片付けるからー!

 万屋なんか断じて許さねぇぞ!真選組内でも近藤さん以外切腹だオラァ!!!」

「じゃ、切腹しなせぇ。
 介錯は俺がやりまさァ」
「おお、上等だァオラァ!!って、はぁ!?どーして俺が切腹すんだよ!」

「だって、アンタだから」

「俺が毎晩夢にまで見るようになって、気付いたらずっと目で追ってて、どうしようもないほど、気になって仕方ないのは、ア・ン・タ。
 他に誰がいるって?」

 ポカンと開いたままの土方の唇に、背伸びした沖田が容赦無く噛み付く。

 刺すような鋭い痛みに我に返った土方の顔前で、悩みを吹っ飛ばしたような沖田の笑顔が咲く。

「まぁ、惚れちまったモンはしょーがねーや。

 覚悟しなせぇよ?絶対惚れさせてやりまさァ」

 クルリと踵を帰して去っていく背中の男らしさに一瞬惚れかけるも。


「え。マジで?」

 いきなり宣戦布告されてしまった土方が今度は大いに悩まされることになる。
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