突発連載

□罪人縋りし蜘蛛の糸
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 誰が泊まるか知れたモンじゃない、寂れた安宿。

 真選組の手帳を見せて、多少暴れても声が届かない場所を確保する。
 噛み付いたままの総悟と俺を好奇の視線が取り囲むが、通常の3倍の値段を払えば口を噤んでくれる。


 片手でドアを開き、服を着たままシャワールームへ総悟を連れ込む。

 シャワーの蛇口を捻れば、人の血潮にも似た熱い飛沫。
 俺と総悟を頭から包み込む熱気。

「熱を発散させてやる。死ぬ気で抵抗しろ。此処には俺とお前しかいない」

 一方的に言い捨てて、濡れた蜂蜜色の髪を掴み、俺の肩からはずす。

 肩の痛みはとうに麻痺しており、言い知れぬ悲しみに疼くだけ。

 総悟の頬を流れ落ちていく水が、涙のようにみえて。

「アンタは・・・・」

 糾弾か拒絶か。

 言葉の続きを聞きたくなくて、その唇に食らいつく。

 恐れと怒りで萎縮した舌を追いかけて深く深く、絡まる唾液さえ逃さぬように蹂躙する。

 俺の舌を噛み千切ろうとする顎を固定し、快楽で思考を埋め尽くす。



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