突発連載

□罪人縋りし蜘蛛の糸
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 ひとしきり騒いだ後、俺は山崎に尋ねた。

「・・・総悟は?」

 山崎の顔が陰る。

「自主的に地下牢に監禁されます・・・」

「何だと!?」

「落ち着いて!傷口開いちゃいますから!
 仮にも隊長である自分が局長に刄を向けたのに何のお咎めなしでは示しがつかない、と沖田さんが、ご自分から監禁されたんです」
「聞いてねぇぞ、ンな事。大体あいつは、」

「操られていたのは承知の上です。誰も隊長が悪いなんざ思ってやしません。あの人は局長を斬る位なら、自分の腹を割りますよ。
 そうじゃなくて、アンタに重傷負わせた責任を取ろうとしてるんじゃないですか?」

「俺を殺そうとするのはいつものことだろ」

「・・・少なくとも、沖田さんは違うと思ってるんじゃないですか。
 もう、アンタに責任負ってもらうほど子供じゃない、そういう意志をかんじます」

「・・・あいつらしくねーな」

「俺は逆にすごく“らしい”と思いますよ」

「ふん。
 で、例の薬の回収は?」
「三‐二で桂に持ってかれましたね」

「役立たず」

「酷ッ!隊長の居場所見つけたら、不完全でもいいから突撃するッつーたの副長でしょー!!
 それにどっかの商人が大量に武器横流ししてたらしいんで、それも調査してましたし!」

「レートは?」

「わかりません。ただ、もうそろそろ江戸で大きな取引があるようで」

「何処がきな臭い?」

「大黒屋・・・蔵場あたりかと。

 しかし一つ問題があって・・・」



 久しぶりに聞いた名は、郷愁と切なさを呼び起こした。



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