突発連載

□幕間
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「ココも駄目か・・」

 故郷から一念発起して江戸へ来て三年。“地味でパシリな自分と別れて、ド派手に生きてやるっ!”と誓って此処へきたのだが現実はそう甘くなく。

『君、地味だから・・』
『アレ、お前面接にいたっけ?』
『なんか使えそうにないし・・』

「くそーっ!ミントンのスペシャルスマッシュまで披露したのに!!」

 面接書を地面に叩き付けて、俯き加減にトボトボ宛てもなく歩く。
 川にかかる橋まで来て、欄干の下から水面に写る自分の顔を見て思わず涙が零れた。

「俺がこんな顔してるから、悪いのかな・・・」

 確かに垂れ目気味で鼻も高くなく顎も口もごく平凡な顔立ちをしていると思う。
 ・・・それが所謂“地味”なのだが。

「はぁ〜田舎へ帰るかな・・・」

 ため息を付いて郷里に帰る決心を固めていると。

「君ィー!自殺はやめなさーい!!!」

 叫び声が聞こえ、振り返る間も無く背後から、ものすごい勢いで何かが飛び掛って来て。

「うわわわわッ!?」

 どっぼーん。

 春の冷たい雪解け水は、悩みなんて吹っ飛ぶくらいに冷たく澄んでいた。


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