その他
□こーりんぐ
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「あいつがどうかしたのか?」
「どうかしたというのか・・・・陛下には、どなたか、好意を持った女性がおられるのか、陛下と長い付き合いのあなた方なら、知っているかと、思いまして」
「シオンさんの、イイ人、ですか?」
「はい。いくら私が女性を紹介しても、陛下に見向きもされませんし・・・。もしや、心に決めた方がいるのかと・・・」
カルネとクラウは顔を見合わせる。
「「いないよなぁ〜」」
そして二人してため息をついた。
「シオンさんって、あんなにもてるのにどうしてですかねぇ〜」
「でもあいつ、女嫌いってわけじゃねぇし」
「ああ、女の人にはむしろ優しいですよね。どんなに器量が悪い女の人にも、とびっきりの美人と同じ扱いするし、顔より性格派なのかな」
「身分とかにもあんまり拘らない様だな。この間、侍女が階段から落ちそうになったとき、庇ってやってたし。あ、絶世の美少女を肩車しているのも見たぞ」
「ええぇ、シオンさんロリコンなんですか?!でも、老人養護施設の視察に行ったときは、お婆さんの手を握り締めて励ましてましたよ?」
「老婆趣味?凄いな、お前の熟女趣味を上回ってるぞ」
「・・・とりあえず、女嫌いではないんですね?」
「ああ。むしろ、神聖視しているというか・・・・。あいつの母親の影響じゃないか?」
「どえらい美人だったようですよ。何せ、あのシオンさんのお母様ですし」
「陛下のご母堂・・・。前王に無理やり攫われて、捨てられたとか・・」
「シオンを産んだ後も、貴族の奴からかなり執拗な嫌がらせを受け続けて、疲労で亡くなったといってたな。それでもその息子があんな風に育ったんだから、相当立派で高潔な人柄だったんじゃねぇか?」
「前王が自分の母親が不幸になった原因ですからね・・・。王から継いだ自分の容姿を疎ましく思っているのかも」
「ばぁか、あいつがそんなタマかよ。でもあいつ、妙なところで女に夢を持ってそうだからな」
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