むかし、むかし..

□人生最悪の仕事
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そんな感じでコンビニのバイトを辞め、次に選らんだのが警備の仕事だった。

これは入社祝金の3万円に惹かれて入っただけの会社だった。


入社するとすぐに研修があり、研修中のビデオの中で警備についての説明があった。
その中で目についたのはSP。要はボディガードの事だ。
腕には自信があったし、これはいいなぁって思ってたが...

当たり前だがこんな田舎にそんな仕事ある訳もなく、警備と言っても交通警備だった。

1週間の研修を終えて制服が支給された。
なんと、ボロボロの服に、穴が空きかかとが潰れた安全靴、傷だらけのエンジェルっつうか傷だらけのヘルメット。

待遇悪いなと思いつつ初現場へ。
なんとそこは一日立ってて3台しか車の通らない山の中だった。しかもトイレも無く、したくなったら山の中でするしかないって環境だった。

しかも毎日朝は五時起き、雪が降る中12時間も外に立ってる時もあった。


ちょうどこの頃、ばあちゃんが入院したんだがお見舞いに行く時間もなく、仕事から帰ると泥のように寝てた。

辞めようかなって思ってたそんな時、辞める事を決意した現場に回された。


その現場とは、高速道路!高速道路の真ん中で減速って書いてある旗をただ持って立ってるだけ。

朝は五時から現場に入り、一時から休憩。

「休憩とってきていいよ」って言われても、ここは高速道路。どこで休憩とれと?

しょうがなく物凄い崖を降り、村みたいな所を歩き弁当屋を探す。歩いても歩いても弁当屋は無く、仕方ないから駄菓子屋でお菓子を買って食べた。

その休憩中その当時の彼女に電話すると「お願いだからその仕事は辞めて欲しい、体が心配で...」と大泣きされてしまう。
逆の立場なら俺も同じ事を言っただろう。


休憩も終わり、崖をよじ登って現場へ戻る。

そして2時から7時まで、また高速道路のど真ん中で旗を持ち続けた。

やっと仕事が終わり、現場の兄ちゃんに高速道路の入口まで工事車両で送ってもらった道中、その兄ちゃんはこんな事を言い出した。
「兄ちゃんは交通警備がやりたかったのか?こんな仕事は若いもんがやる事じゃない。他にやりたいことは無いのか?こんな事してていいのか?若いんだから色々やってみろ。」と。



次のページに続く。
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