むかし、むかし..
□仕事か?家庭か?(後編)
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そんな理由から早番に移る事になった。
いきなり生活リズムが変わり、夜型人間から朝起きて夜寝る、言わばやっと普通の生活に戻った。
遅番と早番では仕事の内容も違って、勿論メンバーも違っていた。
遅番は時間的にもお客さんが多く忙しいが、早番ではお客さんが少なく、どちらかと言えば暇だったと思う。
実際、遅番の人達は仕事のレベルも高く、接客も素晴らしいものだった。その中に居たため、それが普通の事だと思っていた。
だが早番は接客や、仕事の仕方も違っていて、遅番に尊敬できるボスがいたが早番にもバイトの中のボスみたいなのが居て、その人は遅番とは仲が悪く、遅番のやり方を批判していた人だった。
早番にも慣れてきたころ、いい加減遅番のやり方を批判するボスに頭にきていた。
ある日、いつもの様に仕事をしていると遅番のボスの悪口を言ってる早番のボスを見かける。
頭にきた俺は早番のボスと言い争いになってしまう、お互いにヒートアップし、お互いの胸ぐらを掴み合う....と、その時主任が割って入りその場は事なきを得る。
その事件から少しづつ会社に対して怒りが溜まって行く。
パチンコ店の仕事にフォローってのもある。
基本的に自分のコースだけ見てればいいんだが、両隣のコースも大変な時や気付いた時は助けに行く。こんなフォローもランクアップするには大事な仕事で、俺も遅番の時はフォローを多くし、Aランクにあがれたのもこれが大きな要因だったと思う。
だが俺はこのフォローを一切しなくなる。しかも、仕事終わった後は皆で一服がお決まりだったが、それもせず、挨拶する事無く帰ってしまうようになって行った。笑顔も口数も減り、仕事場の人間関係が上手く行かなくなると彼女に依存し始める。
仕事は自分の事だけこなす様になるが、お客さん相手には遅番の調子で接していた。ただ、この店はルールが厳しく、「台移動」ってのが禁止で、遅番では厳しく取り締まっていた。早番の客層はヤクザが多く、皆見逃す事が多かったが、俺は構わず取り締まっていた。このせいでお客さんも敵に回す事になる。これが後々悲劇を呼ぶ事になる。
次のページに続く。