むかし、むかし..

□仕事か?家庭か?(前編)
2ページ/4ページ

スロットコースに入る為にはまず、目押しを覚えなくてはいけない。


実はスロットは高校生から親友に誘われて打ってはいたが、目押しは出来ず親友にやってもらっていた。
しょうがないからプレステでスロットのゲームを買い、寝る間も惜しんで目押しの練習を続けた。


休みの日には、他のパチンコ店に出掛け接客を勉強し、コンビニでパチンコ雑誌を買い、台の勉強をし、給料が入るとスロットを打ちに行く日々が続く。


当たり前だが、そんな事続けてれば自然と彼女をほったらかしにしてしまう。家庭の事情から彼女がデート出来るのは月曜日、しかも子供が居たため、子供が学校に行ってる時間しか二人きりで居られる時間が無かった。


俺の生活が仕事中心になってしまったから、二人で会う時間も減り、彼女は一人の時に良く泣いていたそうだ。しかも、彼女は彼氏がパチンコ店で働いてるってのが嫌で、早く辞めて欲しいと願っていたらしい。


彼女が苦しんでるのも気づかず、スロットコースに入れるようになった時は有頂天だった。

スロットコースに入れた事で、より仕事中心な生活になって行く。

4時に出勤し、仕込みの手伝いなどで夜中3時過ぎまで仕事をし、その後仕事場の仲間とファミレスで騒ぎ、朝9時頃ファミレスを出てスロットを打ち、また4時に出勤する。こんな生活が続き、何日も徹夜続きで休みの日は一日中寝るってな感じだった。


こんな事生活が続いた時、彼女から別れ話が2週間に一回位のペースであったが、口が上手かった俺は何とか言いくるめ、別れる事は無かった。



さらにこの頃から、埼玉に行った親友とも連絡をとらなくなる。たまに帰ってきても、仕事が忙しいからと言って会わなくなって行く。


スロットコースに入って1ヶ月位で事件が起きた。



スロットコースの仕事の中に、メダル調整って仕事がある。
スロットコースの仕事の中では目玉の仕事で、これを早く出来るかどうかで、閉店後が楽になるか大変になるかという大事な仕事だった。

150台のスロット台と80台のメダル交換機のメダル調整は、遅くて二時間、早い人で一時間といった所だったが、その日メダル調整をやりますと言ったら、先輩が〔インカム〕でとんでもない事をふざけて言った。



次のページに続く。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ