むかし、むかし..
□仕事か?家庭か?(後編)
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お客さんは持ってるメダルを床に叩きつけた。
それを丁寧に拾い、お客さんに手渡す。
すると手を殴らた。
ガシャーン!!!
客「いらねぇよ、そんなもん!」
もう一度丁寧に拾い直し、手渡す。
いさ「いえ、お客様のメダルなのでどうぞ。」
客「いらねぇっつてんだろうが!!!」
また手を殴られ、メダルは床に散らばる。
怒りを押さえつつ、メダルを拾い手渡す。
今度は黙って受け取って貰えたので、良かった良かったと思い、一礼し後ろを向いた瞬間!
ガシャーン!!!
なんとそのお客さんは、俺が後ろを向いた瞬間俺になげつけたのだ!
....................................プチッ.....................
何かがキレた。
振り向きざまにお客さんの髪を掴み、台に叩きつける。
客「ギャアアアア...」
悲鳴をあげたが、構わず倒れたお客さんを蹴り続ける。騒然となった店内に、支店長、サブリーダー、主任が駆けつける。
主任「いさ、止めろ!」
いさ「うるせぇ!触んな!」
なんと怒りのあまり駆けつけた支店長達も殴り飛ばし、止めに来た早番のメンバーをも殴り飛ばしてしまう。
あげく、制服をその場で脱ぎ捨て一言、
いさ「辞めてやるわ。くだらねぇ。」
後で聞かされた事だが、お客さんは鼻骨、頬骨骨折の重症だったらしい。
会社内の事で訴えられる事は無かったが、お客さんには会社が慰謝料を払ったそうだ。
そんな事も知らず、制服を脱ぎ捨てた後、彼女の所に帰った。
4時に終わるはずが、11時に帰って来た俺を見てビックリして
彼女「どうしたの?具合悪くて早退したの?」
いさ「いや、ムカついて客と職員殴って辞めた。そんだけだ、心配すんな。」
こうして、パチンコ店で得た栄光は地に堕ち、最悪な辞め方をし、彼女にも心配をかける。それでも何とかなるだろうと、反省もせず次の仕事を探し始めた。
もうすぐ20歳になる夏の日々。仕事はこのパチンコ店が一番長かった、ここから入社しては辞めるを繰り返していく。
介護まで2年ちょい、ここからますます荒れていく。