むかし、むかし..

□悪魔の罠
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そうして一件一件回って行く日々が続き、最初は仕事は真面目にやっていたが...



1ヶ月を過ぎた頃、先輩から一緒に回らないかと誘いを受けた。

先輩について一緒に回ると、信じられない仕事っぷりだった。

最初に連れていかれたのはパチンコ店、行くと既に他の先輩達がスロットを打っていた。


俺は先輩達がやってるんだからいいやと思い、その日一日ずっとスロットを打っていた。


帰りの車の中先輩は、「外回りの営業なんて、外に出たらわかんないんだから、何しててもいいんだぞ。」と言ってきた。


それから俺の仕事は仕事じゃ無くなった。




外に出たら、営業をせずパチンコやマンガ喫茶、一人暮らしの家に帰って寝る、先輩と遊びに行く、彼女の家に遊びに行く、など完全に仕事じゃ無くなっていた。



だが、仕事をとらないとすぐクビになる営業だったため、多少は家を回ることもあった。

先輩達も、仕事をせず遊んでいるので仕事をとれないはずだったが、月に100万の物件をとっていた。


不思議に思っていたが、すぐに理由が分かった。



自己売りと言う方法で、知り合いの家などを自分の金で工事するという方法だった。

皆、「仕事とってくれば、100万なんか直ぐに返せる。」と言う甘い言葉に騙され、借金を増やしていった。


皆、それでも金が無いのに仕事をせずパチンコし、その為生活費を無くし、サラ金で借金をし職場の仲間同士で保証人になりあう。


その事が当たり前になり、俺もその悪い連鎖に加わってしまう。




こうして仲間関係が強くなり、悪い意味でのチームワークが出来上がってしまった。










次に続く。
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