むかし、むかし..
□悪魔の罠
2ページ/3ページ
そうして一件一件回って行く日々が続き、最初は仕事は真面目にやっていたが...
1ヶ月を過ぎた頃、先輩から一緒に回らないかと誘いを受けた。
先輩について一緒に回ると、信じられない仕事っぷりだった。
最初に連れていかれたのはパチンコ店、行くと既に他の先輩達がスロットを打っていた。
俺は先輩達がやってるんだからいいやと思い、その日一日ずっとスロットを打っていた。
帰りの車の中先輩は、「外回りの営業なんて、外に出たらわかんないんだから、何しててもいいんだぞ。」と言ってきた。
それから俺の仕事は仕事じゃ無くなった。
外に出たら、営業をせずパチンコやマンガ喫茶、一人暮らしの家に帰って寝る、先輩と遊びに行く、彼女の家に遊びに行く、など完全に仕事じゃ無くなっていた。
だが、仕事をとらないとすぐクビになる営業だったため、多少は家を回ることもあった。
先輩達も、仕事をせず遊んでいるので仕事をとれないはずだったが、月に100万の物件をとっていた。
不思議に思っていたが、すぐに理由が分かった。
自己売りと言う方法で、知り合いの家などを自分の金で工事するという方法だった。
皆、「仕事とってくれば、100万なんか直ぐに返せる。」と言う甘い言葉に騙され、借金を増やしていった。
皆、それでも金が無いのに仕事をせずパチンコし、その為生活費を無くし、サラ金で借金をし職場の仲間同士で保証人になりあう。
その事が当たり前になり、俺もその悪い連鎖に加わってしまう。
こうして仲間関係が強くなり、悪い意味でのチームワークが出来上がってしまった。
次に続く。