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□健康管理人
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 アカン! アカンよ! 何考えてるんや! まるっきり変態さんやん!
 パルも変な目で見とるわ。いやー! そんな目で見とんといてぇー!


「あ、あー、うん。安心したよ」

「良かったです」


 苦し紛れに本屋ちゃんの靴下を履かせてやると、パルは未だに不審な目だったが、(おまけに触覚がごっつ立ってる)夕映は心底安心したようで胸を撫で下ろした。
 こんなに心配されちゃって、なんか本屋ちゃんが羨ましいわ。


 頭の端でまき絵と裕奈とアキラがいつもウチを介抱する姿を浮かべながら枕の下に氷水が入ったビニール袋を置いた。
 まき絵達もこの二人と同じ心情だったのだろうか?



「のどかのこと、よろしくね。私達探検部の活動があるから」

「起きたら寮に帰って安静にしておくように、と伝えておいて下さい」


 二人とも緊張の糸が解れたせいか、柔らかな表情で親友の看病を頼んだ。
 俄然やる気が出てきた! 特にやること無いけど。



「ほな、またなー」



 二人に手を振ってからすることも無いので、ぼんやりと本屋ちゃんを眺めることにした。

 探検部――図書館探検部ってどんな事してるのだろう?
 活字が苦手だから図書館はまだ行った事は無いけど、島全体が図書館だという話は聞いたことがある。あぁ、だから図書館島と呼ぶのか。
 そりゃあ、島を探検すれのだからもちろん体力勝負なのだろう。

 華奢な本屋ちゃんはついて行けるのかと、ふと前髪から覗く整った顔を見る。



 閉じた目にはカールした長い睫、小さい鼻に赤い頬、そして――ふっくらとした唇。



 アカンわ、アカン。この場に男がいたら襲われとるで、本屋ちゃん。
 というかこんなこと考えてる自分がアカンわ、ホンマ。

 なんだかボーっとしてきたし、どうしちゃったんやろ? ウチ。


 何を思ったのか、ウチは本屋ちゃんの顔にかかっている髪をはらってまじまじと顔を凝視する。




 ――かわいい。




 自分の顔に熱が集中するのが分かる。熱い。鼓動が速い。

 はっ、これは恋なのか? これは恋なのか?

 アホな! いくら先輩にふられたからって女に走るこたぁないやろ!
 うぐぅ、目眩までしてきた。これが恋病? なーんて――あれ? 視界がぐらついてきた――。





 唐突にテレビを消したように視界がプツンと暗転した。







 
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