01/30の日記

12:25
逆ハー主がやってきた!(雪成主の場合)@
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逆ハー(希望で、補正付き)主が雪成主のいる青祓世界にやってきたら…のIF話を、雪成主の視点で書いてみた。

ちょっとアンチ逆ハーぽいので、要注意。



…え?
こんなん書くより更新しろ?

…………………ハイ、スミマセン…(⊃д`)





□■□■□■



兄さんに誘われて、京都組の3人も一緒に昼食を取っている時だった。

空間が歪んだ―――ような気がして、反射的に兄さんの手を引いて後ずさる。

あ、もちろん兄さんお手製のお弁当も一緒にね。だって、せっかく兄さんが頑張って早起きして作ってくれた美味しいお弁当、だよ?駄目にしちゃうなんて、そんな勿体無いことする訳ないじゃないか!

…って、そうじゃなくて。



「ぅ、わっ!? ゆ…ゆき、お…?」

「全員、そこから離れて!」

「へっ?」

「わ、若センセ…?」

「急にどない、」

「急いで!」

「は、はっ、はいぃぃい!」



全員が距離をとって離れたのを確認して、空間の歪みを感じた場所―――頭上の空へと視線を向けると、全員が僕の視線を追って空を見た。

するとそこには、「きゃー」なんて言いながら落ちてくる、同年代の女の子の姿があった。

……………………何だ、アレ…。

厄介事の匂いがぷんぷんする…っていうか、厄介事の匂いしかしないし、近付きたくないんだけど……って、ちょっと志摩君…!



「何してるんですか、志摩君!不用意に近付かないで下さい!!」

「えっ?けど、落ちてきてるの女の子ですよ!?放っとくわけにはいきませんやろ!?」

「…っちっ!この脳内までピンク一色男が…!」

「…あれ、今何気に酷いコト言わはりませんでした?」

「良く考えて下さい!僕等の頭上には空一色で何も無いんですよ?屋上から滑り落ちるなんて有り得ないし、ましてやあの格好はこの学園の生徒ですらない!」

「あれ、スルー!?」

「敵か味方か、人間(ヒト)か悪魔かすら分からない相手に簡単に近付かないで下さい!」

「ええぇー…!?」

「ぐだぐだ言うとらんとはよ下がれ、こんアホっ!!」

「ぐぇっ! ちょ、ちょっと坊…っ!」



僕の言葉に納得したらしい勝呂君が、まだ何かを言い募ろうとした志摩君の襟首を引っ掴んで引き下がる。……うん、さすが勝呂君。

あれ以上何か言ったら発砲してでも下がらせてたかもしれないんだから、君は十分に勝呂君に感謝しなよね志摩君。



さて、丁度よくぽっかりと空いた場所に落ちてきた子は、………やはりと言うべきか、地面に激突する直前でピタリと静止して、ふわりと地面に降り立った。

衝撃が無いことが不思議だったのか、ぎゅっと硬く瞑っていた目をそろりと開けてきょろきょろと周囲を見始めた。

……気のせいかな…。僕達を視界に入れた彼女の瞳が、喜色に彩られてるんだけど…。

…………気のせい、かな…。勝呂君達の、彼女を見る目が何だかおかしいんだけど…。



…………………はぁー…。まったく、何だこの状況は。





「何者だ?」

「えっ!?」

「誰の手引きでこの学園に入り込んだんだ?」

「だ、誰…って…、」

「―――答えろ」

「ひ、っ!」



制服の下に隠し持っていた対・悪魔用の銃を突き付ければ、落ちてきた(…堕ちてきた、が正しかったりして。…どっちにしても、迷惑なコトだけど。)女は息を呑んで竦み上がった。

対・悪魔用とはいえ、今装填してあるのは聖銀の銃弾――まあつまりは『実弾』、ってこと――なので、目の前のコレ、が悪魔だろうが人間だろうが、確実にダメージを与えられる。……十中八九、まず間違いなく『人間』だろうとは思うけど、ね。

要するに、下手な真似しやがったら撃つぞ、っていう本気9割の脅し。(…脅し?…うん、脅し)



だったんだ、けど。



「ちょ、ちょお、センセ!女の子にそないなコトせんでも…!」

「………………………志摩君」



ゴリ、と眉間に銃口を突き付けていたら、志摩君が待ったをかけてきた。まったく、この志摩君め…!



「僕が先程言った言葉を、もう忘れたんですか?『敵か味方か、人間(ヒト)か悪魔か分からない』と言ったでしょう?」

「そ、そらそうですけど…。でもその子、怯えて泣いてはるし…!」

「はぁ…。見た目だけでそんなに簡単に騙されるようでは、祓魔師にはなれませんよ…。はあ、まったくこの志摩君は…」

「ちょ、人の名前を悪口みたいに言うんは止めてくれません!?」

「―――それで。お前は何者だ?何が目的でこの学園に入り込んだ?」

「あれ!? またスルー!? ちょ…、酷ない?若センセ、何か俺に酷おない!?」



ぐだぐだと煩い志摩君はさらりと無視してガチャリとトリガーを引き絞れば、目の前の相手はヒッ!と小さく悲鳴を上げて身を固くした。



………演技が下手っていうか、自分の欲望に悪魔並に忠実というか…。

………僕と志摩君のやり取りをにやにやとだらしない顔で眺めていたところを見ると、この子(…だよね?見た目は。若返りとかだとどうしよう…)、自分に『逆ハー補正』なるモノが付けられてること知ってるな。

………ってことは、自分で逆ハー補正付けてくれとか言った…んだろうなぁ…。



…イケメンにちやほやされたいだけなら、もっと平和な世界に行けばいいのに…………迷惑な。



取り敢えず、こ…こ…、あーもーコイツでいいや。コイツが自分勝手な欲望で兄さん泣かせるような真似したら、即排除。



そうと決まれば………ひとまずはフェレス卿に連絡、かな。





あー…、何か厄介なことになりそうだなァ…。

面倒事を引き起こす前に、とっとと消えてくれないかな。出来ることなら今すぐにでも。





はーー…。



銃は相変わらず相手の頭に固定したまま、携帯を取り出しながら吐き出した溜息は、何だかやけに重たかった――…。

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