花の栞

□君と歩む「道」
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ひとりで立って、歩いていける。
これから先も、ずっと…。

 そう、その少女は思っていた。
 彼女の名は『リラ』。透き通るような藤色の髪と理知的な瞳を持つ『バトルフロンティア』なるポケモンバトルタイトルの戦地『バトルタワー』を与る『フロンティアブレーン』。『タワータイクーン』の名を冠するポケモンバトルの天才だ。
 やわらかいながらもはっきりとした口調と颯爽とした振舞、そして一人称が『ボク』であるために少年に間違われることもあるが、れっきとした女の子だ。
 リラは齢わずか11歳にして数多の挑戦者を『退ける』立場となり、その責務をこなしてきた。

 両親は健在。自分の能力を周囲に認めてもらえた事で『責務』と『居場所』も手にできた。幸せな、何不自由のない暮らしではある。

 だけど、リラはそこから離れてみた。

 目の前に広がるのは雄大な自然の中に、人が割り入って進む為に作った道。
 道といっても舗装されている訳ではなく、硬そうな岩と土がむき出しの山道だった。
 左右はうっそうとした木々が茂っている。少しきつめの上り坂のこの道を制すればそこは山頂のはずだった。
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