花の栞

□君と歩む「道」
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 触れていたいという思いを抱いていたことに気付き、恥ずかしさからリラの頬がほんのりと赤く上気する。
 少年の背負うリュックの上に ちょこん と立っているピカチュウが、不思議そうな顔をして少女を見つめている。
 少し辺りを見回していた少年は、一歩、行き先を定めて歩み出ると少女に向けて再び手を差し出した。
「握手したまんまじゃ、歩きにくいからな。」
 差し出されたそれは、先程とは向きが異なっていた。
「…!そうだね。」

 目の前につづく道は、しばらくはなだらかな下り坂だった。
 ふたりはゆっくりと、手を繋いで歩み出した。

 青空の下、どこまでも続いて見える道がどんなに厳しく険しいものでも、ふたりならきっと大丈夫。
 そんな温かい思いに包まれて、少女は少年とピカチュウに微笑みかけると、再び前を向いた。


ひとりで立って、歩いていける。
だけどこれから、隣にいる君と支え合って進む旅路はきっと 
もっと素敵だね。



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