らき☆すた【短編】1号館

□幸せな 昼下がり
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どうして、こんなにどきどきするのかなぁ、もう…、ただ 『かがみの部屋』って だけなのにさ、何回も来ているのに、これだけは慣れないな、でも、前に来た時よりも、なんだか少し 結構きれいになった気がする。片付けたのかな。ああ見えて結構、律儀な性格だからね〜。でも、やっぱり棚には団長のフィギュアも、壁にはポスターもない… こんな真っ白な壁を見るのって、少し寂しいような。あ… でも、ラノベはだいぶ揃っているな。 えっと…、これは、銃を持って世界を旅する女の子の話のやつかな?これ読んだことあるよ。後でこの話題で盛り上がれるかな? ふぅ…… なんだか、少し首が疲れちゃった。でも、これが、かがみなんだね、私とは正反対の部屋だけど、そんな私を認めてくれたかがみの部屋。世界で一番好きな人の部屋。……あ、足音が聞こえる、って事は、今は階段辺りかな。……なんて、私も分かってきたなぁ〜、うん。この茶色のドアの向こうに、どんな顔をしたかがみがいるんだろ。ただ、そんなのを想像するだけで、こんなにもドキドキするのって、私は少しおかしいかな? 笑ってるかな
、だったら嬉しいな。笑っていなくても、私が笑わせてあげる。よし、じゃあ、一番始めは、なんて話そうか… ・・・やっぱり…、あれだよね。…ん、小さい音が聞こえる、ドアが開き始めたんだ。


『おっす、こなた。』

『やあ、かがみん。』

そう、世界で一番愛してる人の名前を呼ぼうってね、かがみも同じ事考えてたのかな。さすがだね、私の一番嬉しい事をしてくれる…

『ところで、こなた…』


また、幸せな 昼下がりが始まったね、かがみ。時間はまだまだあるから、何を話そうか。かがみとなら、何を話しても楽しいだろうけどさ、でも… その前に… とぅ! さっき注した目薬で、上目線攻撃!

『…ねぇ… かがみん…。』

『何? ………言っとくけど、キスならしないわよ。』

『え"っ……、なんで分かったの?』

『なによ、首の後ろに腕を回して、少し潤んだ目を細めながら、何かを求めるように唇を少し開いている恋人を見て、分からない人がいると思う?』

『むぅ… 好きな人とキスしたいって気持ち、かがみは受けとってくれないの?』

『ってか、その前に、会っていきなりかよ!! 全く……まずは、飲み物を置かせてよね。』

結構重いんだから、全く…… って言いながら、若干赤面するかがみ萌え、さすがだね、分かってるなぁ〜


『そしてこなた。私は、好きじゃないもの。』

『……えっ、………私のこと…、嫌いなの?』

『誰が嫌いって言ったのよ…、』

どうしてうつむいているのかな… 私はかがみを信じてるから、不安…… じゃないけど、なんだか変な気持ち…。かがみが好きだから、余計に気になる。

『じゃあ、なんで…』

『好きじゃない………、』

うつむいてたら分からないよ、もう… 少し顔も赤いしさ、そんな… 私もなんだか恥ずかしいじゃん…



『じゃあ、なんなのさ……』

…かがみん、………そんな目で見ないでよ…



『…………大好き。』

『………えっ…、』

『だ・か・ら!! 好きじゃない、大好きなのよ……』

『……かが…み…、私も…、…んぅ……っ…ん、』

私の目の前が暗くなった。唇に集中しているから、意識がだんだん遠くなる。薄く白い視野の先には、大好きなかがみの目。
『………何、見てるのよ…』

『かがみだって見てたじゃん。』

『……それは… 』

『何さ、』

『……もう、……あんたが、かわいかったのよ!! 悪い?』

『…ううん、……私もそう思ってたよ、かがみ〜ん♪』


んむぅ、そんな擬音のように、もっとぎゅっと愛しい人を抱きしめる。さっきよりも、体が近い。体格の差から、どうしても私が低い。私の口の中でたまに当たる舌と舌が、上にいるかがみの冷たい液体を、私の口に入れてくる。…かがみ、激しすぎだってば…… 息が出来ない…って…、その液体が流れてくるたびに、私の体が小さく震える。甘い吐息が無意識に溢れてきて、二人の体温が上がっていくのが、首に回した腕から伝わってくる。頭が働かなくなって、全身が風邪を引いたように、熱くなって、だるい。全ての指先に力がはいらなくて、私はかがみに支えられるように、前に倒れ込む。分かっていたように構えるかがみ。さすがに、ここに来るたびに何回も、部屋に入った瞬間にキスをして、倒れていたら、かがみも慣れるよね…もぅ、ずるいな かがみんは。でも、乱れた息づかいの私の背中を、優しく撫でてくれる手が、私にとって嬉しいよ、かがみ

『……んぅ、ずるいよ、かがみん』

『あら、いつも強気なこなたが、珍しいわね。雨でも降るのかしら?』

『………ばか、』

まだ昼下がりは始まったばかりなのに、こんな調子なんだから。でも、そんなかがみが、私は世界で一度大好きだよ。夜中に急にかかってくる電話だって、楽しみに待ってるんだから。今度は、いつここに来れるかな…? 明日?明後日? もっとずっと先かもしれないけど、必ず会えるなら、いつだって構わないよ。もう一度ここに来れるならね。だって、私の部屋にある、どんな本よりも、パソコンよりも。大好きなものが、ここにはあるんだから。

『……ねぇ…、かがみ。』

『何よ、キスなら、もうしないわよ?』

『……違うよ、かがみん。さっきの…』

『さっき? 何のこと?』

『私、答えてなかったからさ…』

こんな時って、どうして走ってないのに、全力で走った時よりも、心臓がうるさいんだろう…。 私、体が小さから、心臓もそんなに大きくないはずだよ?なのにさ……、…でも、どうしても伝えたいから、少し黙っててね、私。


『……えっと、ね…。私も、……だっ、……大好き、だよ。』







end

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