小説等

□君の存在、ぼくの存在
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ねえ、きみは、
何が好き?






「ハレルヤ」
「何だよ」


たしか、その頃のぼくは同じ身体を共存してるのに、きみの事がよくわからなかった。それが不安で仕方なく、ある作戦を企てた。

何か、
知らなくちゃ

幼いぼくは好きなものを聞く、位しか頭に浮かばなかった。


「きみは、何色が好き?」
「………」

すぐには答えてくれなかった。
ただ、びっくりしたような顔をしていた。ぼくはもう一度聞いてみることにした。


「何色が好き?」
「…お前は」

口を開いてくれた。質問返しだったけど。しつこいとか言われるかと思っていたぼくは嬉しくなって思うままに答えた。

「あったかくて、優しい色…夕日の色」
「橙か」
「そう!おれんじ!」

ぼくはあまり物知りじゃなかったからその時は綺麗な夕日色のしっかりとした名称を知らなかった。きみが教えてくれたときに笑顔が広がるのが自分でもわかった

「奇遇だな、俺も好きだぜ」
「えっ…」
「おー、れー、んー、じ。好きじゃねーの?」
「す、すきだよ!一緒だね!」
「おうよ、全くビックリだぜ」
ぼくはあまりに嬉しくなって質問を続けた。

「じゃ、じゃあ、好きな食べ物は?」
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