新選組長編

□序章-2 頭痛
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 この日、義鷹和泉は、学校に来て席に着くやいなや、机に片肘をつき、手のひらに顎を乗せ、ひどくため息をつきながら考え事をしていた。

 ―――その姿だけでも絵になり、周囲の生徒はつい視線を向けてしまうのだが、本人は与り知らぬ事である。


 
 今日も、鞘埜早紀子と共に登校していた。

 だが、急にひどい頭痛に襲われたのだ。

 もちろん、早紀子にそんなことを言うと心配するから言わない。

 それに、今までかなりの健康体といわれてきた和泉にとっては、こんな経験は早々あるものでもなく、言葉に言い表し難かった。

 最近は、なぜか、頭がちくりと痛むことがよくあった。

 しかし、それは剣道中のことで、面を締め付けすぎたか、くらいにしか思っていなかったのだ。

 それが今日は登校中に起こった。

 健康管理に気を遣っている和泉が易々と風邪を引くわけもないし、家族や友達からうつされたわけでもなさそうだった。

 むしろ、インフルエンザで急に高熱を出した早紀子を保健室に運び、昼休みの間中そばにいたこともあったが、それでもうつされなかった。

 その自分がなぜ、頭痛に悩まされているのかさっぱり分からなかったのである。


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