迷いねこ

□授業中の私語は厳禁
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朝のSHRが開始されて10分後。



「――――…やっと全員席についたから、ミトス、自己紹介を」


疲れ気味な担任に促されミトスが1歩前にでる。


「はじめまして、僕はミトス・ユグドラシルと言います。
アイリスという小さな島国から来ました。
どうぞよろしくお願いします」


そう言ってニコッと微笑むと、何人かの女子(たんこぶ付)から黄色い声があがった。



「このクラス天国!!
学年No.1の矢口くんに加え王子様まで転校してくるなんてっ」

「もー幸せ!!」

「神様ありがとう!!この1年間を大切にします」


女子から名前をあげられなかったその他男子からも声があがっていた。


「嘘だろ!これ以上イケメン増えるのか」

「無理だろ、女子全部もってかれるぞ!!」

「終わったー!!俺の青春終わった!!?」


好き放題叫んでいる。

担任が出席簿片手にそれを静めていった。



朝っぱらから制裁3発はきついのでミケは大人しく席に座っていた。


《ミトス…。ちゃんと17歳に成長してる…。こないだ夢で見た姿と同じだ!》


隣の席の槙原も、他の女子に比べて興味がさほどないのか、担任に制圧されるクラスを眺めている。


「今日ミカちゃんがいたら、ミケちゃん1日追いかけられてたかもね」

「??なんで私が?」

「だってミトス君ってミケちゃんの知り合いなんでしょ??」

「あ、うん…知り合い…??」


確かに知った顔で想いを通じ合った仲だが、恋人というわけでもなく、そもそもアイリスという国が一体何なのかも分からない。


《あーやっぱり知らない事が多いなぁ…》



広報部の友人、御鏡が合宿欠席でよかった。

御鏡に限らず、あちらの世界の事なんて誰にでも言ってもいい内容じゃない。
質問された時の為にも、いろいろと情報を合わせておきたいのだが。

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