迷いねこ

□君の隣は
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《あぁ…そうか、昨日ミケといろいろ話をしていて…そのまま寝ちゃったのか》


昨晩、リビングでミケの質問に夜遅くまで答えていたのだが、疲れやら安心やらで途中パタリと意識を失ったのを覚えている。

ミケもウトウトしていたので、寝たのは同時くらいだろうか。



床で寝ていたのだが、下がモコモコの絨毯だった為それほど寝心地は悪くなかった。

家族の誰かが気をきかせてくれたのか、布団が二人の体にかけられていた。


《でも部屋で寝ないと風邪ひくかな。ミケを起こそう…》


そう思いミケの頬に触れる。

すると不意に先ほどの夢が脳裏に蘇ってきた。



《――――…3年間、どれだけ触れたかったか…》


もう夢じゃない。伝わる温かさが現実だと教えてくれた。



「…もう少しいいか」


そう小さく呟いて、眠る少女を抱きしめ直した。


ほのかにシャンプーの香りがする髪に唇をおとして

《きっとミケも起きたら騒ぐんだろうな》


そう、簡単に想像できてしまう風景に笑いながら静かに眠りについた。





《君の隣は心地良いな》



【続く】
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