迷いねこ
□君の隣は
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アイリスのよく晴れた日。
窓からの光を浴びて徐々に意識を覚醒させていく。
《朝、か…。…もう少し寝ていたい》
そんなことを夢心地に考えながら寝返りをうち
「ミトス!!起きなさいよ!!」
「うわっ!?」
突然の訪問者に眠気が一気に吹っ飛ばされた。
ドアを蹴破ってはいってきたのは10歳くらいの少女。
ふわふわの明るいオレンジ色の髪と澄んだ青い瞳をもつ少女は、ミトスが未だにベッドにいることに口を尖らせていた。
「ノエル…??」
「まったく、やっと起きたのね」
「…今、何時??」
「もう7時よ。今日はパパと最後の検診にいくんじゃなかったの??」
ノエルと呼ばれた少女の言葉に「そうだった」と呟きベッドから抜け出す。
「…ミトスが寝坊するなんて珍しいわ。やっぱり疲れてるのね」
「そんなことないよ」
「…ねぇ、出発するの今日にしなくてもいいじゃない??
もっとのんびりしてからに…」
ノエルが言い終わる前にミトスに頭を撫でられ、言葉がとまる。
無言で首をふるミトスにノエルの視界がにじむ。
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