はじまり
□ロイデぃ…ッド!!?
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「ったく仕方ないねぇ。
……にしてもあの子なんだか見たことないかい?」
「しいなもそう思う??」
「うーん、髪とか服で印象がかわるからねぇ…」
しいなの視線の先にいる吟遊詩人は、緩くウエーブのかかった黒髪を清楚な花で可愛らしく彩っていた。
ふわふわしたドレスとの相乗効果で、清純なイメージである。
「ロイドは会ったことあるんだって〜」
「へぇ…そんなに各地をまわってる子なのかい…。それじゃどっかで写真でも見てるかもしれないねぇ」
そんな二人の会話をリフィルが内心ヒヤヒヤしながら聞いているとは誰も知らない。
「おーい、タマ!」
「ロイデぃ…ッド!!?」
《危うくいつもの呼び名で呼ぶとこだった…!》
ミケがバクバクいう胸を押さえながらロイドの方へ向く。
「ロイデッド??俺の名前はロイドだっつの」
「あやー、すまなんだ」
《ロイドがアホでよかった…》
「でも俺の事覚えてくれてたんだな♪」
とロイドが嬉しそうに笑ったからつられてミケもにへっと笑う。
「そいや、タマってゼロスの知り合いだったんだな。
俺ら、今ゼロスと旅してんだよ」
《えぇ知ってますとも…》
ミケを巻き込んだ張本人、ゼロスは例のごとく女性にかこまれていた。
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