はじまり
□ロイデぃ…ッド!!?
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「あ、そうだ!!あとで俺の仲間を紹介するよ」
「うぇ!??そ、それは危険!!」
「危険??」
きょとんと言葉を繰り返すロイドに、焦ったように手を振る。
「いやいや、実はもういろんな人と約束しちゃてて…、その人達をないがしろにすると危険というか…??」
「あ、そうなのか。有名なんだっけ、そりゃそうだよな。無茶いったみたいで悪かったな」
ミケの苦しい言い訳にも素直に納得してしまうロイド。その純粋さに良心が痛んだ。
「引き止めて悪かったな」
「ううん、また今度会った時に紹介してね」
おぅ、と元気よく応えてくれたロイドに手を振って人ごみに隠れるミケ。
ロイドの姿が見えなくなっても足を止めることはなかった。
人ごみを掻き分けるように出口へと急ぐ。
《やばい…時間制限があるの忘れてた!!》
体の調子がおかしい。この感じには覚えがある。
《急がないと10歳に縮んじゃう…!!》
カツラがずれてないことを右手で確認しつつ、会場を小走りで移動していると、
「きゃっ…!!」
「ひゃぁ!??」
注意力散漫。人にぶつかってしまった。
さらにはその人物がもっていたグラスが床で盛大な音を立てて割れ、周りの注目を一気に集めてしまう。
《わー何やってんだ私!!早く出ないといけないのに…》
「ご、ごめんなさ…っ!?」
急いで立ち上がり相手に手を差し、やっと気づいた。
「…こちらこそすいません」
自分がぶつかった相手がプレセアであることに。
駆けつけたボーイに謝罪し、ミケに向き直るプレセア。
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