はじまり
□私の人権無視!?
2ページ/9ページ
「ずいぶん美人さんなお化けだな……」
『お化けではないのですが…。私はマーテルと申します。
…私があなたをこちらの世界に連れてきた張本人です』
「マーテル…??……ってマーテル様??この世界の女神……だっけ…」
ミケがぼうぜんとしながらマーテルの顔を見つめていると彼女は柔らかく微笑みを返した。
「あ…この絵の人と似てる!」
『ミトスの姉であるマーテルも私の中の1人なんです』
「ミトス…」
《そか、ユーの本名ってミトスだっけか》
ミトス、といえばどうにもあの少年を想像してしまう。
《あれ?ミトスは…名前が同じなだけだよね??》
『ミケ』
「あ、はい」
優しい声に呼ばれ、沈みかけていた意識をもとに戻すと、
『ごめんなさい』
「……………へ?」
女神であるマーテルが自分に向かって頭をさげていた。
『…まず何から説明をしましょうか』
「と、とりあえず混乱してるんで……キューティクルを失わない髪の伸ばし方からお願いします」
ミケが頭を押さえながらいうとマーテルはクスと笑い
『髪質ですね』
「マジかっ」
一応答えてくれた。
.