はじまり
□私の人権無視!?
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覚えていますか??
あの時、あなたが言った言葉。
「君は……――――」
その言葉が私の希望でした……―――
薄暗い部屋で手の中のフレームを見つめるミケ。
その表情には困惑と驚きの色が混ざっていた。
《矢口…君??》
少しの間、呆然と人物画を見ていたが、何かに気づきバッと顔をあげる。
「……よく見れば矢口君じゃない!!」
《つか矢口君のハニーフェイスより老けてる!》
そんな失礼な事を思いながら立ち上がり部屋に灯りをともした。
明るくなった部屋を見回したあと左腕の紐をそっと触る。
「違う世界に飛ばされて、
年齢も縮められて、
ユーのとこに連れて来られて、
極めつけは矢口君に似た人の存在!
…………やっぱ、何かあるよねコレ」
《怪奇!呪われた腕の紐!!みたいな》
しばらくの間、首を傾げて考えていたが何もわからない。
「だーもーッ!!誰っ!誰が私をこっちに連れてきて伸びたり縮んだりさせてんのさ〜!何なの一体ーーー!?」
考えることに飽きたのか、自分以外誰もいない部屋でキーキーと叫んでみる。
《どーせ何にもない…か…》
『ミケ…』
「む??―――…のわあぁぁ!?」
優しい声で名前を呼ばれ振り返ってみるとそこには
「おばけ!?豆腐の角で頭ぶつけて死んだおばけ!!?」
『それだとレアなお化けですねぇ』
緑色の髪の女性が立っていた。
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