はじまり
□矢口くんが来ましたよ!!
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「むきーもちょっと優しく起こしてくれたっていいじゃんかよー!」
そう言って怒ったように手をバタつかせるミケ。
見た目が17歳なので少しだけ違和感がある。
「優しく、ねぇ。なら
@ライトニング
Aインディグネイション
Bジャッジメント
どれがよかったの?」
「隠れCの王子のキッスで…ってなーんちゃって」
「キス??」
いつもの調子で言ったミケの冗談は何気なくミトスに繰り返され、少しきょとんとした後、
「や、な…なんでもない!!」
先ほどの事を思い出したのだろう、真っ赤になって誤魔化された。
《そこまで意識されると僕まで恥ずかしくなるんだけど…》
「さてさて、ここは……公園か〜。よかった、私の家近いよ♪よし行くべ」
「……?僕も行っていいの??」
ミケによってしっかりと握られた手を見る。
「お、当たり前じゃん。どうしても1人でいたいなら止めないケド」
少し不安そうに顔をのぞきこむミケにミトスは軽く首をふる。
「ううん。……いく」
《僕がいてもいい場所、あるんだ…》
少し気持ちが楽になった。
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