はじまり
□矢口くんが来ましたよ!!
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「ミトスさんはおねえちゃんの恋人ですか?」
「「違う」」
仲良くハモる二人。それを見て母も楽しそうにポンと手を叩く。
「赤髪も捨てがたいけど金髪の息子も良いわねぇ」
「赤髪…?」
「前におねえちゃんが連れ込んだおにいちゃんが赤だったんです」
「ちょ、連れ込んだとか誤解されるようなこと言うんじゃありません!
んでミトスも冷たい目で見るな!!
…ってお母さん!?コラ!?ミトスに変なもん渡すなぁぁっ」
ミケは叫びながら母からミトスに手渡された避妊具を窓の外に投げすてた。
「………」
《騒がしい家族だなぁ…》
奇妙なモノを渡され冷や汗をかいていたミトスだったが気をとりなおしてココアを口にふくんだ。
その時、家中にチャイムの音が響きわたった。
「客?」
「はいはい、どちら様?」
「どちらさま〜?」
パタパタとスリッパを鳴らし玄関へむかう母。そのあとにシロも続く。
「ごめん、なんか騒がしくて…」
「…僕のところも似たようなもんだよ」
主に天使とか天使とか天使が。
「ふーん?ミトスの家族?」
「いや、家族じゃなくて…」
「大変ですおねえちゃん!矢口くんが来ましたよ!!見つかる前に早くミトスさんを隠してください!!!」
「「「………」」」
シロの声はその場にいた全員に聞こえていた。
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