はじまり
□矢口くんが来ましたよ!!
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雨上がり、葉の上にたまった水が太陽の光をうけてキラキラと輝いている。
そのしずくがポタとミトスの白い肌におちた。
「…ん……」
《冷た……》
そっと目をあけると目の前に綺麗な青空がひろがっている。
《…キレイ………あれ?ここどこだろ??それに僕…》
まだ覚醒しきっていない頭で一生懸命思い出しながら体を起こす。
「――――…そっか」
少し湿った芝生を眺めながらクシャと髪をかきあげる。
ミトスの隣には17歳の姿をしたミケがこんこんと眠っていた。
周りは見知らぬ建物ばかり。
《……ここが、ミケの世界…》
少しの間辺りを見渡したあとミケの体をゆする。
「ミケ、起きて」
「…ぅー……あと5時間…お母さんはせっかちだなぁ〜……」
「………」
「…………うん、大根じゃなくてエクスカリバーだよ……むにゃ」
「…ライトニング」
そうミトスが呟いた瞬間バチッという音とともにミケの悲鳴が響きわたった。
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