はじまり
□また、恋をしたらいい。
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ある日を境に、私の世界は少しずつ変わった。
「え〜!?矢口君を好きになったの??」
「うん、なんか急に」
「今までなんの関心もなかったんにマジで急やなぁ」
「なんか自然と目がいくっていうか輝いて見えるというか…これが恋!?って感じ」
「「えー…」」
まったく自分のキャラじゃないんだけど、気づくと矢口君の姿を探す自分がいた。
それはまるで何かのフィルター越しに見ているようで、笑う彼は特別に輝いて見えた。
それに一緒にいて楽しかったから、それが恋だと思ってた。
「矢陵、俺と…付き合ってほしい」
だから告白されたときは嬉しかったし、少女マンガみたいに恋をしている自分が少しだけ嬉しかった。
でも、それは残念ながら恋愛感情じゃなかったみたい。
「…だって矢陵さん、全然とも君の事好きじゃなさそうだし!!」
反論も出来ず、あの子に言われてからずっと違和感があったものが
『ミケの心も私の影響をうけ矢口君に興味をしめすようになりました』
やっと見えてきた。
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