はじまり2
□確かに見覚えのある胸だ。
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天使。
その名前とは裏腹に、冷ややかな眼差しにはいっさいの感情もなく、ただ与えられた仕事を黙々とこなしていく殺戮兵器。
…のハズだった。
が…
「いくぞ」
「来た!」
「くっ…」
「いけぇ!!」
ただ今ビーチバレーで猛烈に輝いています。
無表情なりに作られた笑顔がこわい。
「……………」
《なにこの変わりようは…。これもミケの影響かな》
サングラスを少しずらし呆れたような視線をおくるユグドラシル。
「ユグドラシル様もやりますか」
「やらん。お前たちだけでしていろ」
そう言ってまたパラソルの下にゴロンところげた。
天使たちの声が波の音と重なっていい具合に眠りへと誘う。
《潮風って疲れさせるんだっけ…》
徐々に意識が薄れていく。
と、
「あ、ユグドラ…」
バシンッ
「ぶっっ!!?」
ビーチボールが顔面に直撃した。
「「「……」」」
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