はじまり2

□私はセレスといいます
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しばらく歩いてやっと店の近場にきた。
この階段を降りればもう目の前だ。


「よし、あとちょっと……ん??」


階段の下がなにやら騒がしい。
手すりから乗り出して見てみれば、1人の女の子が3人のガラが悪そうな男に囲まれていた。



「おうおう、どう言うことだ嬢ちゃん。ぶつかってきたってのに謝罪のひとつもねぇんか!?」

「謝罪もなにも、ぶつかってきたのはそちらの方ですわ」

「なに言ってんだ、こっちは衝撃で骨が折れたんだっつーの」

「どう落とし前つけてくれんだ?えぇ??」



明らかにたちの悪いゴロツキ3人。

少しばかりおびえながらも果敢に立ち向かう少女は、今のミケより少し年上だろう、育ちの良さそうな服装をしている。

赤みの強い髪と青い瞳が、仲間のひとりによく似ていた。



「…ナンパ、じゃないよね」

『違いますね』






「てめぇが当たった衝撃で足の骨が折れたじゃねぇか。慰謝料払えや」

「お金なんて持ち歩いていませんわ。持っていたとしても、お断りします」

「へへ、気の強い嬢ちゃんじゃねぇか。
金が払えないなら体で払ってもらうしかねぇな」


そう言って男の武骨な手が少女の細い腕を捕らえる。
一瞬で少女の顔に不安の色が広がった。



「は、離しなさい!!無礼者!!」

「なに、悪いようにはしねぇよ。おとなしく…」
「ウェザハーン!!!」

「「「ギャッ!!??」」」


バチンと大きな音がして小さな落雷が3人に落とされた。

「え…、え…??」


なにが起こったのかわからない少女は唖然としていたが、


「こっち!」

「あっ!?」



気づいた時には、男の手から逃れられた腕を自分よりも小さな少女にひかれ走っていた。

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