はじまり2
□みんなの夢じゃん
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―――…ミトス…。
枕元で誰かが自分の名前を呼んでいる。
そのささやくような声で夢の世界からひきずりだされた。
この声の主を自分は知っている。
「……姉さま…??……どこ…?」
そっと目をあけて暗闇の中、姉の姿を探すがどこにも見当たらない。
あるのはその懐かしい声だけ。
「姉さま…??」
『……ミトス、ミケを…助けてあげて』
「……ミケを?」
姉の言葉にミケに何かあったのだろうかと眉をひそめるが、心当たりがありすぎて頭が痛い。
あの天真爛漫で貧弱な少女ならどんな時でもピンチになれるだろう。
《悪くいうのなら身の程知らずのトラブルメーカー。
またモンスターに襲われてたり罠に引っ掛かってたり…??》
『ちなみにモンスターに襲われてたり、罠に引っ掛かってたり、赤毛の神子に襲われてたりではありませんよ』
「……………」
心を読まれてた。
「じゃあ何からミケを……??」
『……』
見えない姿がうつむいた気がした。
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