はじまり2

□ですよねぇぇー!!?
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東の空がうっすらと明るくなり始めた頃。
救いの塔が見える丘にふたつの人影があった。


「…ねぇクラトス。僕はどうしたらいいと思う??」


少しだけ冷たい風がミトスの髪をかきあげる。



「…いまさら私が何を言おうと、お前の心はすでに決まっているのだろう」

「ケチだなぁ。少しくらいアドバイスくれたっていいじゃない」


そう言って無邪気に笑うミトス。
その姿だけ見れば、幸せだった昔に戻ったようにも感じてしまう。



「でも、まぁ……こうするしかないのかな」


そう呟いて背中から虹色の羽を出した。


「……行くのか」

「…うん。これ以上ミケのそばにいると、想いを伝えてしまいそうになるから…」

「……」




暖かな笑顔が好きだった。
優しい歌声が好きだった。

柔らかな黒髪を撫でて抱きしめたかった。



《君の好意を感じて嬉しかったんだよ。
でも、僕はそれに応えるわけにはいかない》


少しだけ地面を蹴って空中に浮かび上がる。




「最高の悪役を演じてくるよ」


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