迷いねこ

□ちゃんと僕をみて
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槙原と別れて1人家路につくミケ。

学校をでて最初はミトスの事を聞いてきた槙原だったが、ミケの微妙な表情をみて何かを感じ取ったのだろう、それ以降は普段の他愛もない話題を振ってくれた。


《ありがたいなぁ。これがミカだったら鬼のように追及してくるだろに…。
月曜までになんとかミトスと情報を共有したいんだけど…ミトスどこに住んでんだ??》


ピタリと足を止めて後ろを振り返る。
すでに校舎は見えなかったが、今日のクラスの様子が頭に浮かんだ。


《ミトスがあんなにモテモテだと学校じゃ話す時間もなさそう…。
…そっか、イケメンだもんね。モテるのも当然か》


今までミトスが特殊な環境にいたためか、天使以外の女性との絡みをほとんど見ることがなかった。

今日の女子生徒の浮かれっぷりを思い出すと、少しだけ胸に重いものが広がる。


「……これって…嫉妬……?」

「しっと??」
「のぅあッ!??…び、ビックリした…シロか」


すぐ後ろから声をかけられ振り返ると、そこにはランドセルを背負った弟がいた。

異常に驚く姉の反応に首を傾げる。



「驚いちゃいました??」

「あ、うん。考え事してただけー。
シロは今帰り??」

「あい、ちょっとだけ遊んでました」

「遊びに行ってたにしては早くない??」


シロが友達と遊びに行くときの門限は6時のはずだが、腕時計を見るとまだ5時だ。



「お母さんが今日ははやく帰ってきなさいって言ってましたよ〜」

「え、そだっけ??…朝いってたやつかな??」


そう言えば確かに朝、母親が何かを言いかけていた気がする。

何だったのかな、と思考を巡らせていると、



「ミトスさんが来るんですよね」







「……………へ??」







周囲の音が遠くなった気がした。


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