迷いねこ

□親子の無償の愛
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君と繋いでいた手が離れて、僕は、雨の世界で目を覚ました。


「…ここは…?…ミケ…??」


問いかけに応える声はない。

濡れて額にくっついた髪を指で掻き分けながら立ち上がる。


《この世界のマナ…確かにミケの世界のものだ。でも…》


以前来たときはもっと建物がある場所だった。
辺りを見渡すが木ばかりが視界にはいる。どうやら森のようだ。

そもそも肝心のミケがいないのでは話にならない。


《どういう事だ??……とりあえず、人の気配がする方にいくか…》


あまり天候はよろしくない。
風が強く吹いているので飛ぶのは避け、歩いていくことにした。





しばらく歩いて開けた場所にでた。

《ここは…墓??》


天候が良ければ綺麗に見えただろう、海と森に囲まれたそこには数個の墓がたてられていた。

その中でその男性を発見した。


「…あぁ、アリア…あの子を守ってくれ…!!」

「……」


一つの墓標に向かって懸命に祈りを捧げる男性。

ミトスが一歩踏み出せば、ハッとしたように顔をあげた。

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