はじまり
□可哀想なロイディ…
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「フハハ…フハハハハハハハ!!!」
腹の底に響くような邪悪な声。
力を使い果たした仲間たちはその声だけで希望を失う。
「そんな…スーパーデンジャラスフォーエヴァーアタックが破られるなんて…」
「もう…世界はお終いよ…!!マウンテンラブビームスペシャルが効かないなんて勝ち目ないわ」
そう言って悔しそうに拳を地面にたたきつけると、暗黒の大魔王はさも嬉しそうに口元をゆがめた。
「なんだ…もうお終いか??人間とはちっぽけな生き物だなぁ」
「くっ…」
「お前たちを殺すのは最後にしてやろう。せいぜい自分たちが守れなかった星の最期を嘆くがいい!!」
その言葉に仲間は唇をかみしめ、自分の無力さを呪った。
運命が告げられた。
世界は破滅を辿るのみ…。
その中で一人の少女は血を流しながらも立ち上がる。
まるで運命に抗うように。
「ミケ??なにを…」
「もう…これしかない…!!」
そう少女がつぶやくと、背中から黄金の翼が生え、その体を宙に浮かばせた。
「ぐわぁぁぁ!?なんだ、この聖なる光はぁぁ!!
なにをする小娘が!!?」
「この魂と引き換えにラファエルを召喚するわ」
「大天使を!?でも、そんなことしたらミケは…!?」
「……」
仲間の問いかけに少女は答えなかった。
少し寂しそうな顔をした後、
「私はこの星が好きだから守りたいの」
そう言って笑い、命と引き換えにラファエルを召喚した…――――
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