はじまり

□輝石を持っている…?
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…――私がお前を守ってやろう――…


我ながらクサい台詞だ。

ボスンとベッドに体を沈めながら、先日の出来事を思い出すミトス。


《何が守ってやろう、だ。監視目的のくせに…我ながらよく言うよ》



何の事情も知らされずに託された少女ミケ。
扱いに少しだけ困っていた。


《姉さま(っぽいもの)が連れてきたってことは、怪しい奴じゃないんだろうけど…。
何で僕の所に?何の為に??》


わからない。
最近わからないことが多い気がする。


天井に向かってため息を吐き、そのまま視線を左にむけた。
すると自然と、壁にかけられたピンク色のドレスが視界にはいった。

《ドレス…しかも結構上等品だな》


それはミケがここに連れて来られた際に着ていたものだが、とてもその辺の村娘が着れるような代物ではない。


《イイトコの出身??でも教養があるようには見えないし…。
そもそもこれは大人用だ》


そこまで考えて違和感に気づく。

「……待てよ。確かにミケは大人にもなれたけど…どうやって??」


上体を起こしてフム、と唸る。

そうだ、体の成長を操るすべを自分は知っている。



「まさかミケは輝石を持っている…?」


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