はじまり
□発ガン性物質か…
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深夜、宿屋の一室に灯りがともる。
「ロイド達はもう眠ったのか?」
リーガルが声を潜めて尋ねるとリフィルがコクリと頷いた。
「えぇ、確認済みよ。…四人ともちゃんと寝ているわ」
リフィルの言う「四人」に含まれなかったリーガルとプレセアは顔を見合わせる。
「…話というのは……ロイドさん達には聞かれてはならない内容なんですか?」
「まーな」
ゼロスが腕を組みながらギシと背もたれに寄りかかった。
その隣でプレセアは話に心当たりがあるかのように、ココアにうつりこんだ自身の無表情な顔を見ていた。
「話は……ミケの事よ」
「…」
「ミケの…?」
リーガルが不思議そうな顔をしたがやはりプレゼアは無表情のまま顔をあげるだけだった。
「確か…ミケは今……」
「ロイドの実家にいる…とみんなには言ったけれど、それはウソよ」
リフィルがリーガルの言葉に被せる。
あの晩餐会のあと、宿屋にいるハズのミケがいないと混乱がおこるだろうということで急遽『親馬鹿クラトスに連れて行かれた』という設定にしていた。
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