CLANNAD-LOG(2008.7〜)

□ただそれだけ/岡春/***
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ただそれだけ




「…お、かざき…っ」

今まさに、繋がろうとするところを僕は見ていた。
お互いに熱く昂ったものをどうにかしようとして、それぞれの役割でお互いを慰める行為。
ギリギリ見えない入り口へ入ろうとして、ゆっくりそこへ突き立てられる。
それから、ぐっと腰が押し付けられて、滾ったものが僕の中に飲み込まれる───

遠いような近いような、中のような外のような、どこか分からない場所で、ぐちゅりと音がした。

解された入り口が、熱い質量に思い切り広げられる。
濡れた内壁がずくんと疼いて、押し込まれた膨大な熱さを噛みしめるみたいに。

「…っは、あ…あっ」

何度やっても最初は苦しいもので、僕は必死で息を吐く。
まだ後ろはきついだけのはずなのに、自然と手足ががくがくと震えだしていた。

「ん…あ、んぅ…」
「…春原?大丈夫か」

岡崎が僕の前髪を手のひらで優しくかきあげる。
それだけでも、僕の腰の奥はずくずくと熱く波打った。
中に岡崎がいる。
それだけで、好きと本能的な欲望が交じり合って僕はわけが分からなくなってしまうのだった。

「…あ、もぅ…僕…んっ、だめ、かも…っ」
「おい、春原…」

岡崎が僕の名を呼んで、心配そうに覗き込む。
歪んだ涙越しにその顔を見たら、一層好きだと思って。
もっと一緒にいたい。
できることなら、ひとつになりたい。
そう思ったら、体がぐんぐん熱くなっていくのを感じた。

「おか、ざき…っ…んぁ…ひ、あ…っ!」

びゅる、とお腹の上に僕の液体が吐き出された。
自分でも不思議だった。
入れられただけでこんなに気持ちが昂ってしまうとは思っていなかった。
それほど、僕はなにかに飢えていたのかもしれない。

「……入ってるだけなのに」

僕の脚を抱えなおして、岡崎が感嘆とも取れる声を上げた。
まだ僕は余韻の快感に浸っていたし、自分でも意外なことだったから理解するのにも時間がかかっていた。

「…だっ…て、ぁ…すごく、おっき、くて…奥、届きそ…で…っ、んっ」

もう一度、僕は繋がった場所を見ようとした。
やっぱり僕の位置から直接は見えなかったが、潤された場所で二人が繋がっていられることが分かったので、僕は安心して息をつく。

「それだけで…いくほど気持ちいいのか」
「…うん…っ」

実際、そうだった。
自分の意思とは裏腹に体が反応してしまう。
僕は、自分でも気づかないうちに岡崎に依存してしまっていた。


「…う、ごいて…?」


また、自然と口が動いていた。
恥ずかしさとか、そういう感情はもう吹き飛んでしまっていたらしい。
岡崎が僕の目を見る。
ごくん、ときれいな喉が動いたのが見えた。

ずる、と熱さが入り口のふちまで引き抜かれる。
次の動きを期待して、ぞく、と物足りない内壁が疼いた。
くちゅ、と音がする。
そして、僕を突き刺すみたいに、岡崎が上から一気に体重をかけた。

「…あ、あっ…!は、んぁ…っ、あぁ」

爛れた内部がぐちゅぐちゅと熱さを飲み込んで。
快楽を求めるように何度も収縮しようとして、その度にその大きさを咥えきれずに軋んだ。

「ひぁ…、お、かざき…っ、おかざ…、ぁっ、あ!」

奥でさらに膨れ上がるその熱を、僕は必死で噛みしめた。
ゆるゆると動き出す僕の腰は、今よりもっと奥で、更なる動きを求めていた。
もっと、と僕の口は動く。
躊躇いがちな腰にぐいと押し付けた。



ぐちゃ、ぐちゃ、と粘液が絡まる音が激しく立って、その度に体がびくんと波打った。
ずるずるに爛れた内壁が何度も行き来する熱にさらに熔かされて。
奥に力いっぱい叩きつけられた直後、壁を撫でるみたいにゆっくり引き抜かれる。
破壊と慰めが一体になって、ぞくぞくと僕の腰の奥を滾らせる。

「あ、あのね、それっ…すご、気持ちいっ…の…っ」

激しい動きに額に汗が滲んだ。
体温が溶け合って、繋がりあう場所を中心に熱が高まっていく。

「っ…もっと、痛くして…っ」

喉の奥から細く声が零れた。
岡崎がそれを聞きつける。
即座に僕の顔の横に手をついて、腰を叩きつけた。

「あ、ひぃ…、ぁあ、ぅあ…あ…っん、…っ!」

一層深くなる繋がりが僕の意識を浮かせる。
入り口はもう緩んでいて、悠々と太いそれを咥えこんでいたが、踏み込まれていない奥はまだ狭かった。
つい乱暴に突き上げてしまうのだろう、何度も、がり、と内壁が削れる音がする。
思わず、痛い、と声が出た。

「…痛いの、好きか」
「あ…んぅ、…好き…痛いの、気持ちいぃっ…!」

激しく突き上げられる腰の奥が軋むたび、喉の奥から苦しそうに息が漏れる。
水音と体がぶつかる音が耳から流れ込んで理性を吹き飛ばす。
涙が頬を伝って、握った手に爪を立てる。

「気持ちい…いきそ…っ…もっと、いっぱい…ちょうだい…っ!」

頭の奥まで流し込まれた熱い波に犯されて、僕の先からどくどくと白濁が零れた。

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