暑い暑い暑い。
頭の中はそれでいっぱいいっぱいだった。
日本ってところはどうしてここまで暑いのだろう。任務をする気が萎える。
髪の毛が異常なまでにうざったく感じで、もう丸坊主になりたい気分だった。
「いやいや、それは俺が許さねーよ」
「え?声に出てました?」
「もろに出てたぜ……っと、そんなお前にご褒美だ」
がしゃがしゃと音を立てて、目の前に差し出されたビニール袋。
素直に受け取り中を覗くと、気分が少し晴れた。
「γ先輩もやるときはやる男なんですね」
「本当にお前はこんなときだけ調子良いな」
少し呆れたような表情を見せるγ先輩はスルーし、さっそく中に入っていたもの、アイスを取り出す。
冷たくてひんやりとしてて、触るだけでも気持ちよかった。
あれ?でもこれ…
「先輩、これちょっと溶けちゃってますよ」
「折角買ってきてやったのに文句か?」
「い、いや…そういうわけじゃないっすけど…」
少しだけγ先輩が怖かったので、それ以上は何もいえなかった。
袋を開けて、棒についたアイスキャンディに食らいつく。
溶けかけのアイスはダラダラと汁が垂れそうになる。でもそれを落としてところどころベタベタになるのは嫌だったから丁寧に舐めとった。
「まぁ、それちょっと溶かしたの俺だけどな」
そのセリフにハっとした。
ああ、そういうことですか。そりゃそうですよね、あのγ先輩が後輩に気を利かせてアイス買ってくるなんて普通しないですもんね。私はまんまとその戦略に乗せられたわけですねそうですね。
「地獄見てみますか」
「そりゃ勘弁」
(やっぱり暑い日なんて嫌いだ!!)
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