+Short story


□必ず。
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ずっとずっと此処で待ってる。

貴方のことは絶対忘れはしない。

でもね、
不安なんだ。

貴方がそのまま何処かへ消えてしまわないか、と。

だから、
約束を交わそう。


『何時か必ず、此処へ戻る』と。







―留守番―





ぎぃっと静かにドアを開く音。
ごめんな。なんて言わないで。
せっかく知らないふりして眠っているのに、

泣いちゃうでしょう?

静かに、静かにドアが閉まる音。
耳に残ってしまう
あの微かな音

バタン………。

閉まりきると心の中は
なんだか空しくて、
ぽっかりと深い、穴が開いた様…。

どうして男の子は何処かへ行こうとするのかな?
どうして男の子は戦おうとするのかな?

私は大丈夫だよ?
自分の身は自分で守れる。

だから、一人で傷つこうとしないで。
一人で苦しまないで。
辛い思いは一人で背負い込むより
二人で分け合ったほうが軽いでしょう?

私は大丈夫。

貴方の為になるなら、
どんなこともおしまないよ

だからお願い。
何処へ行くのも、
戦うのも、

全部、
一緒に居させて。


ダンッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!

響く、激しくドアを開ける音。
もう、たった一人でなんか行かせない。

行くなら…



私も連れて行って。






約束して?
『ずっと一緒に居る』と
そして、


  『二人で必ずこの場所に戻る』と。

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