小説

□オリジナル:波乱の卒業式
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朝起きた時、オレはかなり冷静だった。
今日は何日だ?―3月5日だ。
今日は何の日だ?―卒業式だ。
式は何時からだ?―十時からだ。
今は何時だ?―ほぼ十時半だ。
オレは何歳だ?―15歳だ。
オレは何年だ?―中三だ。
クラスはどこだ?―C組だ。
出席番号は?―「渡辺和也」ちょっきり40番だ。
学校まで何分かかる?―だいたい10分だ。
オレは今何をしなければならない?

「さっさと着替えて学校に向かえー!」

「つーか何なんだようちの親!普通起こすだろつーかあいつら子供がいない卒業式に出席してる馬鹿な親?!マジありえねぇ気付けよ!だーもー間に合えー!むしろ式が遅れてることを願う!担任頼むあんたの権力で式進行を滞らせろ!そしてオレ全力で走れー!」
自分と親と、ときどき担任に叱咤激励(?)しながら、オレは静かな住宅街を走り続けた。



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